©Megumi Okubo

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2014年5月21日水曜日

建物の畳み方と広げかた

























  私が心を躍らせる楽しみの一つは、スカイダイビングだ。上空の空気は地上よりもキリリと冷えて澄み渡る。輝く太陽や美しい形の雲、模型のように見える地上の風景は美しく、友人たちとはしゃぐのも、新技に挑戦する緊張感も全てが楽しい。このスポーツの魅力の一つに道具がある。航空スポーツというのは道具に頼ったスポーツでもあり、安全を考慮して向上を重ねた道具は知れば知るほど興味深い。

  メインのパラシュートは自分で畳み、何かあったときのための予備のパラシュートはその資格を持った人に畳んでもらう。何事にも初めてというのがあるが、私が初めてパラシュートを畳んだのはたぶん3本目くらいを飛んだ後だったと思う。フィンランドの海辺のスカイダイビングクラブでのことだ。ライセンス保持者に手取り足取り教えてもらいながら。そのうち一人で畳むようになるのだが、ライセンス取得までの間は大事な段階で3度ほどのチェックをしてもらっていた。未熟な時期に、自分で畳むのはやはり不安であり、このチェックしてもらうというのがどれだけ安心感があったか知れない。

  パラシュートの畳み方というのはもちろん、パラシュートがきちんと開くように、開くときに糸が絡まないように畳むので、要は開くプロセスを逆追いしているようなものだ。だから自分で畳むことでパラシュートの構造や、どうやって開いていくのかというメカニズム、各部位の役割などの理解につながっていく。

  話は変わるが、私は自宅の改修をするにあたり、今ではやらないような方法を使ったりして建てられていた内装を一枚一枚剥がすように、建てられた順番に解体した。そしてまた、洋服を着せなおすように、埋め戻すように、建てている。

  自分で解体やリノベーションをするということは少しだけパラシュートの畳み方に似ているのかもしれないと思う。その住宅のことが良くわかるし、建てるという事の手順や段取りがよくわかる。自分で作業すると、なんといっても使い方へのアイディアも広がるし、だんだん愛着がわいてきて、もともと「そのうち賃貸に出してもいいかな」などと思っていたものが、もう自分が住むことしか考えられなくなっている。DIYはお勧めだ。

  部分的にでも家をDIYで改修や改装する際には段階のチェックをお願いできる専門家に相談すると良いと思う。幅が広がるし、安心して、より楽しめるのではないだろうか。私はフィンランドでもDIYするという住宅の設計をしていた。これからもそんな意気ある方々のお手伝いができたらと思う。



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